【魔女兵器 翻訳】ACTIVITY.4_星尘降臨 PART.10 第10章_20191030修正
走出入境大厅时,天空的阴霾已经散去,我们三人搭上了港口专列。
磁悬浮列车的速度很快,不到十分钟就抵达了马萨达内城区的克奈塞特站。
……
出入国ホールを出ると、空のもやは既に消えていた。俺達3人は港の特別列車に乗る。
リニアモーターカー*1はかなり速く、10分足らずでマサダ市街のクネセト駅*2到着した。
……
安妮:
这.........小怜:
好、好厉害!!
小星尘:
哇嗷―――
小怜:
这里就是......马萨达堡?
安妮:
我也......没想到......
面前的这幅景象完全颠覆了我对马萨达“战火纷飞的沙漠要塞”的印象―――
花园般整洁优雅的街道上,随处可见AI环卫机器人和无人驾驶的货运小车。
远处市中心高层建筑群的外立面,包裹着科技感十足的金属甲板,隐约反射出白云的倒影。
碧蓝的天空下,大片植被一直绵延到视线尽头......
小怜:
真是让人神清气爽呢―――
我扶着石质围栏眺望远方,不由做了个深呼吸,湿润的空气中夹杂着海风特有的風味。
安妮:
这里是全球气压最高的地方,含氧量高人就会感觉呼吸自在~
亏他们能把死海边的沙漠改造成现在的样子.........
小怜:
安妮,那边连成一片的是.........?
我指向左手边,远处有一条横贯东西的围栏,围栏背后似乎就没有任何高层建筑了。
安妮:
那个就是『隔离墙』啊。
咱们现在离得远,那堵墙实际上有几十米高,遍布着安检岗哨和自动防御装置。
地下埋设了很多传感器,连老鼠都钻不过去。
安妮叹了口气,小声自言自语道。
安妮:
他们之前的首都也有这种东西,可还不是被夷为平地......
小怜:
那是很久之前的事吧......当时我才上小学―――
我忽然想到,因为安妮在『因果之隙』中停留了七年,对她而言那或许是不久前的记忆。
小怜:
话、话说―――修那种墙有什么意义吗?
我赶忙生硬的切换了话题。
小怜:
如果真的打起来,一堵墙什么也挡不住吧.........
安妮:
政府会为了各种目的修墙——阻止外敌入侵、民众 出逃或者非法移民之类的.........
安妮望着前方公园中六大学园都市的旗帜说道。
安妮:
但马萨达的状况还要更复杂些......
在那堵墙的两侧,很多人都不希望看到对方。
只有看不到另一边,假装对方不存在,才能心安理得的过自己的生活。
嘛.........不过估计小怜也不明白。
小星尘:
哦~~这样啊......
小星尘忽然冒出来,一副好像很明白的样子边点头边做思考状。
小星尘:
嗯、嗯~
你懂个头啦!这不是跟我在物理课上断片时的反应一样吗?!
安妮的话确实说得我云里雾里可能和她过去的经历有关吧......
看着我迷茫空洞的眼神,安妮接住了我的脖子。
安妮:
哎呀别这么认真啦,我其实乱讲的~
告诉你吧,马萨达的『幻想军势』就在内城区地下的某个地方哦!
小怜:
诶......? 就是那个XK级的异质物?
アニー:
これが……。
レン:
す、すっげー!!
星尘:
わぁーーー
レン:
ここが……マサダブルク?
アニー:
なんか……私が思っていたのと……。
目の前の光景は、マサダの”戦火が飛び交う砂漠の要塞”という俺のイメージを完全に覆すものだった―――
花園のように整備された上品な街に、AIの清掃ロボットや無人運転の貨物車がいたるところに見られる。
遠くに見える中心部の高層建築群の外周は、テクノロジー感満載の金属甲板に包まれていて、ぼんやりと白い雲の影を反射している。
紺碧の空の下、広大な植生が視界の果てまでずっと続いている。
レン:
すっごく清々しい気分だな―――
石のフェンスに手を添えて遠くを眺め、思わず深呼吸をした。湿った空気の中に海風独特の匂いが混じっている。
アニー:
ここは世界でも一番気圧が高いところだからね。酸素量が多いと呼吸が快適に感じられるのよ~。*3
彼らだって死海の砂漠が今のような姿に作り替えられるなんて思わなかったでしょうね……。
レン:
アニー、あそこで連なっているのって……?
俺は左手を指す。遠くには東西を横切る垣根がある。その背後には高層建築といったものが何もないようだった。
アニー:
あれが『隔離壁』よ。
私達、今は遠く離れているけど、あの壁って実際は何十メートルもあるの。それに保安監視所と自動防御装置がいたるところについてるわ。
地下にはたくさんのセンサーが埋め込まれていて、ネズミも通れないって。
アニーはため息をついて、小声でつぶやく。
アニー:
彼らの前の首都にもあんなものがあったけど、結局は廃墟になってしまったのでしょう……?
レン:
それってずっと前のことだよな……。俺も小学校に入ったばかりの―――
そうだ、アニーは『因果の隙間』に7年間も滞在していたのだ。彼女にとっては少し前の記憶だったのかもしれないと、ふと気づいた。
レン:
つ、つーか、そんな壁を建てて何の意味があるんだ?
俺は慌ててぎこちながらも話題を切り替える。
レン:
もし本当に戦うってなったら、壁なんかじゃ何も止められないだろ……
アニー:
政府もね、色んな目的のために壁を建てるの―――外敵の侵入を阻むためだったり、民衆の逃走や不法移民を阻むためだったりね………。
アニーは前方にある公園の六大学園都市の旗を見ながら話した。
アニー:
でもマサダの状況はもっと複雑……
あの壁の両側、そこの多くの人達は相手の事なんて見たくもないのよ。
向こうが見えない、相手がいないふりをしてこそ、安心して自分の生活を送る事できるの。
まぁ……レンちゃんには分からないことだと思うけど。
星尘:
あ~~なるほどね……。
突然星尘が出てくると、よく分かったというような顔で頷きながら思案していた。
星尘:
ふむ、ふむふむ。
知ったかぶりしてないか!?物理の授業で居眠りから目覚めた時の俺と同じ反応しているぞ!?
確かにアニーの言葉は俺にとって曖昧で要領を得なかった。これは彼女の過去の経験と関係があるのかもしれない……。
困惑した俺の虚ろな眼差しを見て、アニーは俺の首に手を回した。
アニー:
もう、そんなに本気にならないでよ。本当は私の当てずっぽうなんだから~。
そうだ、教えてあげる。マサダの『ファントムフォース』が城内区の地下のどこかにあるんだって!
レン:
えっ……?あのXK級異質物が?
『幻想军势』是马萨达的战略级异质物,其存在形式为一个不可移动的特定空间。
从那个空间内部发射的武器可以获得威力倍化的异 常效果,产生几倍到几百倍于原设计值的破坏力。
第三学园都市前段时间公布的『自动反击系统」正是利用了这一特性。
当系统判断马萨达市区的毁伤程度超过50%时, 就会自动启动『末日程序』―――
利用『幻想军势』向全世界所有大型城市无差别投 放核武器,以确保共同毁灭。虽然在宣布之初遭到了激烈的抗议,但民众似乎很 快就接受了木已成舟的事实。
马萨达能迅速与抵抗军达成停火协议,恐怕也与这个系统有莫大的关系。
『ファントムフォース』はマサダの戦略級異質物で、その存在形態は移動することが出来ない特定の空間だ。
その空間内部から発射された武器は威力を何倍にもする異常効果が得られ、それは従来の設計値の数倍から数百倍の破壊力を生むのだ。
第三学園都市が先日発表した『自動反撃システム』は、この特性を利用している。
システムはマサダ市街地の損傷率が50%を超えたと判断すると、自動的に『終末プログラム』を起動する―――。
『ファントムフォース』を用い全世界の都市に核兵器を無差別投下、共同壊滅を保証するのだ。
発表当時は激しい抗議があったのだが、民衆は早々にこの事実を受け入れてしまったようだ。
マサダがすぐさまレジスタンス軍と停戦合意を結ぶことが出来たのも、このシステムが大きく関係しているだろう。
安妮:
你看到那些大楼外立面的金属装甲了吗?
小怜:
刚才就注意到了......
你不会想告诉我这座城市是用来对抗使徒的吧.........
安妮:
据说这片内城区的地下,全都铺满了那种装甲。
越听越像了喂!
小怜:
什、什么意思……
安妮:
你觉得他们为什么要将新首都设在死海边这块贫瘠的沙漠盐碱地上呢―――
而且为了支撑这座地理位置糟糕透顶的首都,还要斥巨资修建落差四百多米的大运河。
小怜:
是为了这下面的『幻想军势』.......?
我指了指自己脚下,又觉得有什么不对。
小怜:
可也太下本了吧......又不是『埃癸斯』那种能屏蔽 一切外部攻击的防护罩。
安妮:
所以各国都猜想,或许『幻想军势』还存在某种尚未公布的关键特性。
以至于马萨达的领导人不惜将全民族的命运都押在这片土地上。
可以说这整座城都是为保护『幻想军势』而设的防护设施―――
那么作为防护体系的一环,修建那种级别的隔离墙就不足为奇了吧~
小怜:
“马萨达永不陷落”还有这一层意思吗......
可越是不计成本去守护的秘密,就会越让人觉得好奇吧......
我转身看了看克奈塞特站外印着同样标语的巨幅广告,却意外看到一个熟悉的面孔―――
艾米莉欧拎着一个装满的白色购物袋,正好从出站 口的扶梯走出来......
艾米莉欧:
啊嘞?
这位少尉军官和我对视了一眼,微笑着走了过来。
安妮立刻训练有素的装作和我不认识的路人,拉着行李箱边看手机边快步走开。
而小星尘这两天似乎明白了别人看不见也听不到自己这件事,胆子大了不少。
她趾高气昂的站在我身前,就像有主人撑腰的小型犬一样嚣张。
艾米莉欧:
啊!你就是赌船上的那个.........实习护士?
她看了看我挂在胸前的名牌。
艾米莉欧:
叫小怜是吧~
小怜:
你、你好…… 真巧又见面了。
艾米莉欧:
哈哈我正好告诉你,那天你走以后我好好教训了一下那个侍者。
后来发现赌场的好几个女荷官都被那家伙骚扰过。
小怜:
―――诶!?
那人居然还是个惯犯吗?
艾米莉欧:
不过这次居然敢对客人下手,他是不是脑子抽~
小怜:
啊哈哈哈哈……!
其实是中了催眠喷雾!
小怜:
说来那天真得谢谢你,提前放我过了安检......
艾米莉欧:
小意思啦,最近上面总喜欢征调我们去执行一些无聊的任务。
而且上次还搞乌龙,收容队带着一堆设备在船上扫描了半天,结果什么都没找到。
不知道他们又从哪买的假情报......
小星尘:
哼!那还那么凶...
小星尘对艾米莉欧做了个鬼脸。
艾米莉欧:
话说―――
艾米莉欧蹲下身来。
艾米莉欧:
这孩子好可爱呀~不是本地人吧?
我和小星尘瞬间石化了。
小星尘:
诶.........? 呜.........咕.........
这家伙一下子没了底气,拼命往我身后缩,被吓得差点哭出来。
小怜:
啊?哈哈哈哈...... 她、她是我的...我的那个......
她到底是怎么看到的!?
艾米莉欧从购物袋中拿出一个装着红色透明液体的玻璃瓶,瓶身上没有任何标签。
艾米莉欧:
新榨的石榴汁,很好喝啦~ 是城里有名的特产。
来,送你一瓶―――
她说着就将瓶子递给了小星尘,我意识到要阻止时已经来不及了。
我几乎已经能想到那个玻璃瓶穿过小星尘的身体摔碎在地上的画面......
小星尘:
嗯.........谢谢...
小星尘接住瓶子,抱在了手里。 艾米莉欧摸了摸她的头。
艾米莉欧:
真乖~
小星尘:
欸嘿嘿~~
怎么回事......... 这小家伙......已经不再是幻影了?
从什么时候开始的?因为我和安妮一直能看到她所以才没有察觉吗?
不对,肯定是通过入境处之后的事,否则海关安检 是不会轻易放行的。
也就是说,是刚刚发生的?
总之一会回酒店再做研究,现在先蒙混过关吧~
等一下,说到入境处......
艾米莉欧:
不过小怜啊―――
艾米莉欧似乎注意到了什么,顺势抓住了小星尘的手腕一把翻了过来。
艾米莉欧:
她的手上,怎么没有入境处的条形码?
我的头嗡的一下,汗珠从脑门渗了出来。
完了完了,要被逮捕了!!
听说马萨达连普通市民都对非法入境者很敏感,更别提我们被士兵当街抓个现行......
艾米莉欧端详着我僵硬的表情,又看了看完全没搞清楚状况还抱着石榴汁傻笑的小星尘。
艾米莉欧:
唉,你带着她这么大摇大摆的在街上走,不到一个小时就会被逮捕的。
艾米莉欧从腰带挂扣上拿出一台手持设备,样子像是加厚了两三倍的手机。
点了几下之后,那台设备的打印口冒出一条约一厘米宽、印着条形码的白色纸带。
她将纸带绕在小星尘手上,并把两端粘好。
艾米莉欧:
这是军用的临时ID,条形码的油墨会在36小时后自动消失。
纸带的防水性一般,可以淋浴,但最好不要泡澡或游泳。
这段时间内,你要么去入境处补办手续,要么赶紧带小孩出城,明白了吗?
小怜:
好、好的! 谢谢.......
艾米莉欧:
不用谢啦,我的营地就在外城区,挨着救援组织的配送中心。
没准这两天咱们还能见到呢~
说罢,艾米莉欧捏了捏小星尘的脸蛋,捡起购物袋大步流星的离开了
艾米莉欧:
拜~
看着她的背影,我拉紧了星尘的小手。
小怜:
还真是个好人呢..........
……
アニー:
レンちゃんはさ、あのビル群の側面にある金属装甲を見た?
レン:
さっきから気になってけど……。
この街が使徒*4に対抗するためのものだって教えるつもりじゃないよな………?
アニー:
この内城区の地下には、あの装甲が敷き詰められているんだって。
聞けば聞くほど似てきたぞ、おい!
レン:
ど、どういうこと……?
アニー:
彼らはどうして死海のほとりなんていう不毛な砂漠のアルカリ土壌*5に新しい首都を置いたと思う―――?
それも地理的に最悪なこの首都を支えるために、巨額を投じて、落差400メートル以上もの大運河を建設しなくちゃいけなかったのよ。
レン:
それもこの地下の『ファントムフォース』ために……?
自分の足元を指差すが、まだ何かおかしいと感じる。
レン:
いくら何でも投資し過ぎなんじゃないのか………。『イージス』のような外部攻撃を遮断するシールドってわけでもないのに。
アニー:
だから各国は、『ファントムフォース』にはまだ公表されていない重要な特性があるんじゃないかって予想しているの。
でもその結果、マサダの指導者達は全民族の運命をこの地に押さえつけているわ。
言っちゃえば、この街全体が『ファントムフォース』を守るための防護施設なの―――
防護システムの一環としてなら、あのレベルの壁を作っちゃうのも不思議な事ではないんじゃないかな~。
レン:
”マサダは決して倒れない”ってそういう意味もあるのか……?
でも金に糸目をつけずに守る秘密ほど、気になるってもんじゃないかな……。
俺は振り返ってクネセト駅の外に印刷された巨大広告を見た。すると予想外の見知った顔が見えた―――
いっぱいになった白い買い物袋を持ったエミリオが、ちょうど改札口のエスカレーターから出てきて………
エミリオ:
あら?
その少尉士官は俺と目を合わせると、微笑みながら近づいてきた。
アニーは訓練で身に着けた見知らぬ人のふりを即座に行う。スーツケースを引いて携帯を見ながら足早に立ち去った。
星尘はこの二日間で、他人には自分が見えなことも聞こえないことも理解したようで、ずいぶんと大胆になっていた。
俺の前に意気揚々と立ち、まるで飼い主に支えられている小型犬の如くイキっていた。
エミリオ:
あっ!あなたはカジノ船の、ええと………看護実習生?
彼女は俺が胸につけている名札を見た。
エミリオ:
レンちゃんって言うのね~。
レン:
こ、こんにちは………。また会うなんてき、奇遇ですね。
エミリオ:
ふふふ、そうだ丁度いいから教えてあげる。あの日あなたが帰った後、あのウェイターはしっかりと私が説教しといたから。
後から分かったのだけど、カジノの女性ディーラー何人もがアイツにセクハラされていたのよ。
レン:
―――えっ!?
あの人、まさかの常習犯なのか?
エミリオ:
でも今回は客に手を出すなんて。頭沸いてたのかしらね~。
レン:
アハハハハ…!
実のところは催眠スプレーにかかってたのだけどな!
レン:
そうだ、あの日は本当にありがとうございました。おかげで早めにセキュリティーチェックを通過できたんだ………。
エミリオ:
お安い御用よ。最近上層部は私達をつまらない任務に召集するのが好きなの。
それに前回はとんだ無駄骨だったわ。収容隊が設備を積み込んで半日船をスキャンしたけど、結局何も見つからなかった。
あいつら、またどこから偽情報を買ったんだか………。
星尘:
ふーん!それであんなに荒っぽかったんだぁ……。
星尘はエミリオにしかめっ面を見せた。
エミリオ:
ところで―――
エミリオがしゃがみ込む。
エミリオ:
この子、かわいいわね~、地元の子じゃないわよね?
俺と星尘は一瞬で固まる。
星尘:
えっ……?う……あっ……
一気に気力がしぼれたのか、必死に俺の後ろに来ると縮こまってしまった。驚きのあまり泣きそうになっている。
レン:
えっ?はははは……こいつね、こいつは俺の……俺のその……
一体彼女はどうやって見ているんだ!?
エミリオは買い物袋から赤い透明な液体が入ったガラス瓶を取り出した。瓶には何のラベルも無い。
エミリオ:
搾りたてのザクロジュース、とっても美味しいわよ~。この街の名産なの。
ほら、一本あげるから―――。
彼女が星尘に瓶を渡す。止めようと気づいた時にもう間に合わなかった。
あのガラス瓶が星尘の身体をすり抜け地面に叩きつけられる場面が、大体イメージ出来ていた……。
星尘:
うん……ありがとう………。
星尘は瓶を受け取ると、手で抱えた。そしてエミリオが彼女の頭を撫でた。
エミリオ:
いい子ね~。
星尘:
えへへ~~。
どういうことだ……。こいつは……もう幻じゃないのか?
一体いつからだ?俺とアニーはずっと見ることが出来ていた。だから気づけなかった?
いや、入国所を通過してからのことに違いない。そうじゃなければ、税関のセキュリティーチェックを簡単に突破出来ないはずだ。
つまり、さっき何かあった?
とにかくホテルに帰ってから考えるか。今は誤魔化すのが先かな~。
ちょっと待てよ、入国所と言えば……
エミリオ:
でもレンちゃん―――
エミリオは何かに気付いたようで、そのまま星尘の手首を掴んでひっくり返した。
エミリオ:
この子の手、どうして入国所のバーコードがないのかしら?
俺の頭は真っ白になる。額からも汗がにじみ出る。
やばいやばい、逮捕されちゃうぅ!!
マサダは一般市民も不法入国者に敏感だって聞いたぞ。ましてや兵士が街で現行犯逮捕
だなんて……。
エミリオは俺の固まった表情を見つめ、次に状況がまるでわからず、ザクロジュースを抱えニヤニヤしている星尘を見た。
エミリオ:
あのねぇ、こんな子を連れて大手を振って街を歩こうものなら、1時間もしないうちに逮捕されるわよ。
エミリオはベルトのバックルからモバイルデバイスを取り出す。それはスマホを2,3倍厚くしたような機器だった。
何度かタッチした後、その機器の印刷口から幅1センチほどのバーコードが印刷された白いテープが出てきた。
彼女はその紙テープを星尘の手に巻き、両端を接着した。
エミリオ:
これは軍用の臨時IDよ。バーコードのインクは36時間後に自動的に消えてしまうの。
紙テープの防水性は普通のものだから、シャワーを浴びるぐらいならいいけど、お風呂や水泳は控えた方がいいわね。
その間に、入国所で手続きを済ませるか、早くその子を連れて街を出るの。いいわね?
レン:
わ、わかった!ありがとう……。
エミリオ:
どういたしまして。私のキャンプは外城区、救援組織の配送センターの隣よ。
この2,3日また会えるかもしれないわね~。
そう言ってエミリオは星尘のほっぺたをつまむと、レジ袋を拾い上げ大股で去っていく。
エミリオ:
ば~い。
その後ろ姿を見ながら、俺は星尘の小さな手をぎゅっと引いた。
レン:
いい人だったな……。
……
当天晚上。
马萨达荫巴尔酒店客房内。
安妮:
好嘞―――
房间里所有的盗摄和监听装置都拆掉啦。
安妮用爱衣发放的设备在套房各个角落仔细检查了半个小时,拆下好几个微型电子元件。
小怜:
......这么多?!
安妮:
应该是摩诺拉对所有酒店高级套房的常规部署,并非是针对咱们的。
一会就在客厅和莉琉连线吧~
小星尘正在卧室床上用酒店的圆珠笔和稿纸乱画,似乎还在那种终于可以触碰实物的兴奋中。
小怜:
(她现在可以自己拿我的手机玩了.........) (好像更难搞了啊!!)
我还在庆幸还好给收藏夹设了密码,却突然感到胸部一阵酥麻,同时传出了爱衣的声音。
爱衣:
哦呀呀,我正在汇总安妮的简报―――也就是说,那个叫星尘的小家伙在进入马萨达内城区后立即获得了身体,却依然处于失忆状态吗?
小怜:
―――你就不能用手机吗?!
爱衣:
用这个音质比较好嘛............
不要在意不要在意~
先确认一下情况,昨天安妮触摸到小怜在保险库找到的金色颗粒后,同样也能看到小星尘了对吧?
安妮:
嗯,当时吓了我一跳,还以为见鬼了...
爱衣:
对小怜之外的人都可以生效...... 难道是新型的异质物?
你们刚才用酒店的体重秤帮她测量是20公斤,倒是处于那个年龄的平均水平......
虽然失忆,但具备基本生活常识,甚至识字水平远超同龄人,能将网页上的文字念出来......
这孩子听起来.........很有料啊!
小怜:
有......料?
爱衣:
你们能不能快点把她带回来,让我好好研究一下她的构造哎呀!.........
一声暴击打断了爱衣渐入高潮的自言自语,莉琉好像完全不介意把战研部主任敲傻呢~
莉琉:
咳咳,总之那个魔女有表达什么新的诉求吗?或许是能帮她取回记忆的线索......
小怜:
好像还没……。她现在的诉求除了吃就是玩。
我看了看远处餐桌上,那堆被小星尘从迷你吧翻出来吃了一两口就丟在那里的零食。
莉琉:
也好,你们再等等吧,马萨达与抵抗军停火协议的签署仪式就在后天一大早。
小怜的伪装身份是国际医疗救援组织成员,按规定明天要接受一次“历史课程”后才能自由行动。
安妮:
那是什么……
莉琉:
就是马萨达立场的爱国主义教育,条件很宽松,只 要在国家博物馆停留三小时以上就可以。
小怜:
我可以翘课吗......
莉琉:
不行,NGO成员未完成课程一律不许出隔离墙。
你完成课程后,我会派大使馆的人接你和星尘去入境处补办正式ID。
安妮:
后天协议签署完成后,我们就能自由行动了吧?
莉琉:
理论上是这样,不过―――
终于从击打中苏醒过来的爱衣插话道。
爱衣:
签署协议那天,从中午开始马萨达就会陷入漫天黄沙的状态。
小怜:
沙尘暴?
安妮:
所以他们才把签约仪式定在早上吧.........
その日の夜。
アニー:
よしっ―――
部屋の中の盗撮機器も盗聴機器も全部ひっぺ剥がしたわ。
アニーは愛衣から支給された機器で、30分程スイートルームの隅々までチェックし、いくつもの小型電子機器を取り外していた。
レン:
………そんなにあるのか!?
アニー:
マノーラはホテルの高級スイートルーム全てにお決まりとして配置してるの。別に私達のためにってわけではないわ。
あとはリビングでマリルさんに連絡してっと~。
寝室のベッドの上、星尘はホテル備え付けのボールペンと原稿用紙で落書きをしていた。ようやく実物に触れらるようになったというわけで興奮の渦中にいるようだ。
レン:
(あいつは今、俺の携帯を持って遊ぶことが出来てしまう……)(さらに厄介になったぞ!)
お気に入りにパスワードを設定しておいてよかったと思っていると、急に胸がぴくぴくと敏感に感じた。同時に愛衣の声がする。
愛衣:
やあやあやあ、アニーの速報をまとめているんだけど―――
つまり、その星尘という小さな子は、マサダ市街に入った直後に肉体をゲットしたものの、記憶喪失状態のままだってことかな?
レン:
………お前は携帯を使えないのか!?
愛衣:
こっちのほうが音質がグッドだし……
気にしない気にしな~い
まずは確認するけど、昨日アニーはレンちゃんが金庫で見つけた金色の粒子に触れた後、同じように星尘が見えたんだよね?
アニー:
うん、あの時はびっくりして、まさかって思ったわ……
愛衣:
レンちゃん以外の人にも効果を発揮する……。もしかして新型の異質物なのかな?
さっきホテルの体重計で彼女の体重を20キロと測ってもらったけど、その年齢の平均レベルだねぇ……。
記憶は失っているけど、基本的な生活の常識は備えている。識字レベルは同世代をはるかに超えていて、ネット上の文字も読むことが出来る……。
この子……すっごく可能性に溢れているよ!
レン:
可能……性?
愛衣:
早く彼女を連れ帰ってくれないか!そしたら彼女の構造をよぉく研究して、あたっ!………。
愛衣の徐々にヒートアップしていくつぶやきは一撃で断ち切られた。マリルは戦研部主任が叩かれて馬鹿になったとしても全く気にしないんだなぁ。
マリル:
こほん。とにかくだ。その魔女は何か新しいアピールはしていないのか?
記憶を取り戻す手がかりになるかもしれんぞ……。
レン:
まだなさそうかな……。今のところ、こいつの要求って食べるか遊ぶかぐらいだぞ。
俺は遠くのテーブルを眺める。星塵がミニバー*7から掘り出した、一口か二口齧って放り出されたお菓子の山が見える。
マリル:
まぁいい、お前らはもうしばらく待っていろ。マサダとレジスタンス軍の停戦協定の署名式は明後日の早朝だ。
レンの偽装用身分は国際医療救援組織のメンバーだ、明日”歴史の授業”を受けてから自由行動が可能となる。
アニー:
ナニソレ……
マリル:
マサダ視点の愛国主義教育のようなものだが、条件は緩い。国立博物館に3時間以上滞在すればいいだけだ。
レン:
その授業サボってもいいか……
マリル:
駄目だ。NGOメンバーは授業を終えていないと、壁から出てはいけない。
授業を終えてから、大使館の人間がお前と星尘を迎えに行く。それから入国所で正式IDを再発行だ。
アニー:
明後日の協定が結ばれたら、私達は自由行動できるの?
マリル:
理論上はそうだな。しかし―――
ついに殴打から復活した愛衣が口を挿む。
愛衣:
協定締結日はね、正午からマサダの空一面は黄砂状態になっちゃうんだ。
レン:
砂塵嵐ってことか?
アニー:
だから契約書の調印式を早朝にしたのかしら……
马萨达是地中海气候,处于盛行西风带,每年只有这几周会刮东风。
每到这段时期,荒漠风化的浮沙很容易被卷起,沙尘能被扬起几百米高,顺着东风排山倒海而来。
据说在这种极端环境下,高大的隔离墙能在一定程度上维护内城区脆弱的生态系统。
但我依然无法想象,到时候窗外这片繁华的城区会是一副怎样的景象.........
マサダは地中海気候で、偏西風が活発なのだが、毎年この数週間だけ東風が吹く。
この時期になると、風化した砂漠の砂は簡単に巻き上げられ、砂塵は数百メートルの高さまで上がる。そして東風に乗って猛烈な勢いで来るのだ。
このような極端な環境下においては、大きな隔壁が、内城区の脆弱な生態系をある程度維持してくれると言われている。
でも、窓の外の繁華街がどんな光景になってしまうのか、俺には想像もつかない………。
小星尘:
啊呀―――!!隔壁突然传来一阵玻璃破裂的声音。
小怜:
怎么回事?!
安妮瞬间从沙发窜起来跑向卧室,却看到小星尘在地上,胳膊周围的地板上撒满了红色的汁液。
小星尘:
呜...... 石榴汁.............
打翻了啦......
星尘:
ああぁーーー!!
隣で突然ガラスが割れる音がした。
レン:
どうしたっ!?
アニーは瞬時にソファから寝室へ駆け寄ったが、地面にいる星尘が見えた。腕の周りの床には赤い汁が広がっている。
星尘:
うぅ……。ザクロジュースがぁ……。
ひっくりかえったぁ……。
*1:ここで指しているのは磁気浮上式リニアモーターカー(もう一つ空気浮上式リニアモーターカーという時代に埋もれたタイプも存在する)。実際にイスラエルにリニアモーターカーを敷くという計画は存在しており、NASAも技術提携している。スカイポッド型といわれるタイプで、かなり未来感来ている。
*2:原文の単語(克奈塞特)は調べてもヒットせず。音からクネセトと推測。ちなみにクネセトというのはイスラエルの立法府の事。このクネセトという名前の駅は実在しない。
*3:死海があるのは地球上で最も標高が低い海抜-423m。海抜0m地点に比べるとその酸素濃度は6~8%も多く含まれている。
*4:新世紀エヴァンゲリオンに登場する架空の生物で、人類に敵対する存在。作中では首都東京は壊滅しており、新たに第三東京都市として箱根に遷都している。この第三東京都市の"都市"とは名ばかりで、対使徒迎撃用に要塞化しており、建造ビル等にも様々な改造が施されている。
*5:pHが8.5以上の強アルカリ性の土壌のこと。大陸温帯の年間降雨量600mm以下の乾燥気候化の塩類集積した低地でよくみられる。まさに死海周辺はどんぴしゃ。植物の生育には極めて悪く、土壌改良を必要とする。
*6:モデルとなっているのはエルサレムに実在する高級ホテル、「インバル ホテル(Inbal Hotel)」だと思われる。室内のデザインは他のエルサレムの高級ホテルがモデル?
参考画像:
*7:ホテルや旅館に設置されている小型の冷蔵庫。中の飲食物は有料だったり無料だったりホテルによって異なる。グレードが高いホテルだとウィスキーやワイン用のグラスなんかも用意されてたり。