魔女兵器メモ

日本、中国版で魔女兵器プレイ中。中国版では自分用にストーリーの意訳とか。ざっくり意訳なんで気になる人は原文確認してくだせぇ。攻略情報は魔女兵器wiki 新豊洲支部へ。

【魔女兵器 翻訳】ACTIVITY.6_死亡告白 PART.1 第1章_20190603修正

f:id:memo_dabun:20190530102846p:plain

几十年前,医生在研究针对抑郁症的疗法时,偶然发现以特定的频率电击可以消除患者的记忆。

高强度正弦电流的刺激,会打断大脑扣带皮层的蛋白质合成,从而改变神经传递系统。

被消除记忆的人会失去所有的『经历记忆』:包括 父母、爱人、自己的过往和身份等等。

但他们仍会保留已习得的技能:比如说话、走路、 甚至会记得如何驾驶汽车和使用武器。

如果某天你从一张陌生的床上醒来,忘记了一切。

一群陌生人围在你身边,声称自己是你最重要的亲人或朋友,而其他人都在欺骗你———

你会选择相信谁?

……

 

数十年前。医師がうつ病に関する治療法を研究していたところ、特定の周波数の電撃が患者の記憶を消してしまう事を偶然にも発見した。

高強度の正弦波電流*1の刺激は、脳の帯状皮質のタンパク質合成を中断させ、神経伝達系を変化させる。

記憶を消された者はすべての『体験記憶』を失う。それは両親や恋人、自分の過去に、身分といったもの等も含まれる。

しかしその者達は、習得した技能はそのまま保持することが出来る。例えば話をしたり、歩いたり、車の運転や武器の扱い方さえも覚えているのだ。

もしある日、あなたは1つの見知らぬベッドから目覚め、何もかも忘れていたとしよう。

見知らぬ人々があなたの周りを取り囲むと、自分は君にとって最も大切な家族又は友人だ、他の人間は君を騙していると主張したとする———

あなたは誰を信じ、選ぶ?

……

 

f:id:memo_dabun:20190530111907p:plain

第二学园都市——纽摩利达斯。

某高层公寓内,一个女孩正坐在地毯上,透过高脚杯中的红酒眺望窗外的夜景。

灯火辉煌的大都会被液体滤镜染成一片血红,随着酒杯的微微摇晃,不断被拉伸、扭曲、变形......

女孩出神的看了一会,随后把酒杯放在地板上,哼着歌拿起一根像马克笔似的东西开始写字。

 忽然她的手机响了起来,女孩立刻戴上耳机,清了清嗓子,随后按下接听键———

女孩:

 对不起,您拨打的用户不在服务区,请稍后再拨。

 Sorry,The number you dialed is out of...

男性的声音:

 伊娜拉,别闹了!

电话中一个低沉的男性声音打断了女孩的恶作剧。

 

第二学園都市———ニューモリダス。

ある高層マンション内。一人の少女がカーペットの上に座り、脚が高いグラスの中のワインを通して窓の外の夜景を眺めていた。

明りを灯している大都会は液体のフィルターによって真っ赤に染まっている。グラスが僅かに揺れるにつれて、絶えず引き延ばされ、歪み、変形していく……。

少女はしばらくぼんやりと見ていたが、やがてグラスを床に置いた。そして鼻歌まじりにマーカーのようなものを手に取り、文字を書き始めた。

突然彼女の携帯が鳴り始める。少女はすぐにイヤホンをつけると咳払いをし、すぐさま受信キーを押した。

少女:

 申し訳ございません。おかけになった電話は電波の届かないところにあります。しばらくしてからおかけ直しください。

 Sorry,The number you dialed is out of...(申し訳ございません。おかけになった電話は……)

男の声:

 イナラ、いい加減にしとけよ?

電話の低い男の声が、少女の悪戯を遮った。

 

f:id:memo_dabun:20190530130053p:plain

伊娜拉:
 嘁,没劲......

 什么事啊,我这周很忙哦~

男性的声音:

 纽摩利达斯时装周?

伊娜拉:

 哟?还挺懂的嘛,是不是你老婆她...

男性的声音:

 不谈论家人,这是规矩。

男人斩钉截铁的打断对话。

伊娜拉翻了翻白眼,接着朝空气做了个鬼脸。

男性的声音:

 你听好,我刚得到情报,由于你上次的过火行为, 开普敦警方已经向联合议会提出援助调查的申请。 

伊娜拉:

 开普敦?联合议会连那种地方都管啊~

 而且......你怎么知道“那个”是人家做的呀?

伊娜拉故意用小女孩的声音和口吻,一幅天真的语气问道。

男性的声音:

 除了你还有谁会接那种送命又没多少报酬的工作, 而且有必要做的那么夸张吗?

伊娜拉:

 很、很夸张吗?

伊娜拉用很意外的语气反问道。

伊娜拉:

 把暴君的脑袋挂在教堂的尖顶上难道不是传统吗?

男性的声音:

 传统个屁!!

 现在大众都喜欢看这种有政治隐喻的东西,你知道这事儿上了多少媒体的头条吗!?

电话另一头的男性有些控制不住自己情绪的嚷起来, 但很快再次压低声音,并迅速调整呼吸。

男性的声音:

 总而言之,现在联合议会怀疑这件事涉及到异质物滥用,已经派遣了特别调查员。

伊娜拉:

 异质物?噗哈哈哈哈~~!

伊娜拉大笑着锤着地板。

伊娜拉:

 果然那群家伙只是关心异质物而已,那他们要失望了,因为我完全没有用什么异质物啊~

男性的声音:

 那你是怎么...... 算了,我还是不知道的好。

 我提醒你,据说这次的调查员是个死脑筋,就算与 异质物无关的事件也都会查到底。

 那人的资料我发给你了,你这一阵最好低调点。

伊娜拉:

 嗯嗯,低调低调,特别低调行了吧?

伊娜拉心不在焉的附和着,同时加快了手里写字的速度。

男性的声音:

 下个月我们和萨蒙顿做稀土贸易谈判,到时候还有工作给你。

伊娜拉:

 嘿嘿,是你们自己不方便还是做不来啊?

电话另一头沉默不语。

伊娜拉:

 反正只要按时付账就行,我可不会给『帕兰蒂尔』 打折哦!

伊娜拉拿起酒杯做了个干杯的姿势,喝了一口。

伊娜拉:

 噗呸,什么啊,还以为这酒有多好喝呢............

男性的声音:

 你什么时候开始喝酒了?

伊娜拉:

 刚刚开始———我找到一瓶09年的玛歌~

男性的声音:

 什么!?

电话另一头的声音又激动起来。

伊娜拉:

 我就是上网搜了一下,发现酒柜里就这瓶最贵,你说这么酸的东西凭什么卖好几万啊?

男性的声音:

 ......酒柜? 等等!你不会正在“工作”吧?

伊娜拉:

 哼哼,你猜~

伊娜拉说话的尾音故意扬起,右手“马克笔”的笔锋顺势上挑画了个勾,发出『嗞』的一声。

男性的声音:

 什么声音......你到底干嘛呢?

伊娜拉:

 纹身~

男性的声音:

 什么?!

伊娜拉:

 没有啦,总之多谢提醒咯。

 还有你平时少喝点酒,一点都不好喝,而且你那个血压难道不怕便秘的时候脑血管忽然爆......

没等少女念叨完,对方就挂断了电话。

伊娜拉:

 老东西,就知道说我。

伊娜拉站起身,关掉了“马克笔”上的开关,接着从挎包里拿出一节新电池换好。

伊娜拉:

 来,小猪猪,翻面咯~

她看着地毯上自己的“画布”:一个被抓得只剩内裤,塞着口球,身材有些发福的中年男性白人。

男人此时已经失去意识,胸口、腹部、手臂和大腿都被纹上了字,胸口和腹部的字还是反写的。

伊娜拉踩着男人的膀用力一蹬,将那个肥胖的身躯 侧翻了90度,卡在沙发边缘。

但少女并没有立刻继续“创作”,而是目不转睛的盯着自己手机的屏幕———

伊娜拉:

 调查员叫......九月?好奇怪的名字。

 啊,是女孩子啊? 嘿嘿......

……

 

イナラ:

 ちぇー、つまんないの……

 何よ、今週は忙しいんだけど~

男の声:

 ニューモリダス・ファッションウィーク*2か?

イナラ:

 あれ?よく知ってるじゃん。もしかしてぇ、奥さんとか彼女さんから…… 

男の声:

 家族の話はしない。これは規則だ。

男はすっぱりと会話を中断した。

イナラはジロっと睨み、それから何もないところに向かってあっかんべえをした。

男の声:

 いいか。今しがた入った情報だ。お前の前回の行き過ぎた行為のせいで、ケープタウン*3警察は連合議会に援助捜査の申請を提出した。

イナラ:

 ケープタウン?連合議会ってそんなところまで管理しているのね~

 それとぉ……どうしてぇ"アレ"をイナラがやったってぇ、貴方は知ってるのぉ?

イナラはわざと女子のような声と口調を使い、無邪気なトーンで尋ねた。

男の声:

 お前以外のどこの誰が、命を落しかねない低報酬の仕事中に、事を大げさにする必要があるんだ?

イナラ:

 お、大げさだったかな?

イナラは思いもしなかったという口調で問い返す。

イナラ:

 教会のてっぺんに暴君の首をぶら下げるのって伝統じゃないの?*4

男の声:

 何の伝統だっ!

 今のご時世、政治的隠喩があるものは大衆がこぞって見るというのに。この事件がどれだけのメディアのトップを飾ったのか知っているのか!?

電話の向こう口の男は、自分の感情を抑える事が出来なかった。しかしすぐに再び声を低くし、呼吸を素早く整えた。

男の声:

 とにかくだ。現在、連合議会は本件が異質物の濫用が関与していると疑い、特別調査員を派遣した。

イナラ:

 異質物ぅ?ぷふふふふ~!

イナラは大笑いしながら床を叩いた。

イナラ:

 やっぱあいつらって異質物に関心があるだけなのね。もーがっかり。だって私、異質物なんかこれっぽちも使っていないのに~。

男の声:

 一体どうやって……いや、俺は知らない方がいいな。

 警告しておくが、今回の調査員は石頭だという。異質物と関係のない事件であろうとも最後まで調査するそうだ。

 そいつの資料を送った。お前もしばらくは抑えめにしておくといい。

イナラ:

 うんうん、抑えめ抑えめ、スペシャル抑えめでいけばいいんでしょ?

イナラは上の空で相槌を打つと、同時に字を書くスピードを速めた。

男の声:

 来月、我々はサモントンとレアアース貿易交渉を行う。その時に再度お前に仕事をよこす。

イナラ:

 へへぇ~。それって貴方達の都合がよくないから?それとも出来ないからなのかな?

電話の向こう側は黙っている。

イナラ:

 まぁなんにしたって時間通りに払ってくれればいいよ。『パランティル』相手には割引とかないからね!

イナラはグラスを持ち上げると乾杯のポーズを取り、一口飲んだ。

イナラ:

 ぶへっ。何よこれぇ。どんだけ美味しいお酒だろうなーって思ってたのにぃ…………

男の声:

 何時から酒を飲み始めてるんだ?

イナラ:

 まだ始まったばっかしかなぁ———。09年物のシャトー・マルゴー*5を見つけてさ~。

男の声:

 何だとぉ!?

電話の向こうの声が再度熱くなる。

イナラ:

 ネットで調べてみたら、この瓶がワインセラーの中で一番高くてねー。なんでこんなすっぱいものがうん万円とかで売られてんの?

男の声:

 ……ワインセラー?待った!お前は”仕事”をしているんじゃないのか?

イナラ:

 ふふ~ん、当ててみな~?

イナラは話の語尾をわざと上げる。それに合わせ右手の"マーカー"のペン先が勢い良くチェックマークを描き、『ジュッ』と音を鳴らした。

男の声:

 何の音だ……お前は一体何を?

イナラ:

 タトゥー~。

男の声:

 なにっ!?

イナラ:

 べっつに~。とにかく、忠告ありがとね。

 それから普段からお酒は控えるように。ぜんっぜんおいしくないし。それにその血圧じゃあ便秘の時に脳内血管が突然破裂とかしたりして………

少女の話が終わらないうちに、相手は電話を切ってしまった。

イナラ:

 ジジイ、いっつも私にガミガミうるさいんだから。

イナラは立ち上がり、"マーカー"のスイッチを切ると、ショルダーバックから新しい電池を取り出し交換した。

イナラ:

 おつぎは、子豚ちゃんを、ひっくり返してっと~

彼女はカーペットの上から自分のキャンバス——パンツ一丁になり、口にはギャグボールを嵌められた小太りの中年白人男性——を見ている。

男は既に意識を失っており、胸、腹部、腕や太ももに文字が彫られている。そして腕と腹部の文字は反転していた。

イナラは男の肩を踏んづけ、その太った体躯を90度ひっくり返すと、ソファーの縁へと押し詰めた。

しかし少女はすぐには"創作"を続けず、自分の携帯画面をじっと目つめていた———

イナラ:

 調査員のお名前は……九月ぅ?変な名前。

 あ、女の子なのね?へへへ………。

……

 

 几天后,新丰洲市。

f:id:memo_dabun:20190601201410p:plain

新闻:

 几日前,发生在第二学园都市纽摩利达斯的举世瞩目的枪击案有了最新进展。

 军工生产商格鲁门工业的主席塔尔斯·科赫被认为是第一目标,被击中三枪当场死亡。

 嫌犯为一名会计师,据其声称自己曾是科赫的同性恋人。

 嫌犯称对方在分手后袭击自己导致大脑受损,丧失了以前的记忆,他这么做是为了复仇。

 科赫的妻子表示嫌犯的指控纯属无稽之谈,随后警 方透露嫌犯身上有大量纹身。

 纹身内容指出格鲁门工业与西亚和非洲存在大量地下交易,帕兰蒂尔已宣布接管此次调查......

小怜:

 这个新闻......

大脑受损,纹身.........不会是那个电影的影迷吧。

小怜:

 (不对不对,同性恋人和妻子又是什么鬼!)

我收起了手机,百无聊赖的倚着路边的栏杆,看着来来往往的行人和车辆。

小怜:

 唔......下周就要考试了啊..........

每次大考之前,我都会有一段放空大脑的时间———

比如想象着自己不过是由几十万亿个细胞组成的有机体,所谓的“自我”只是一种错觉。

构成我身体的所有原子在几十年前曾散布在地球各 个角落,一百年后也会尘归尘土归土。

所以说考试什么的,在如此广袤浩瀚的宇宙中,在地球几十亿年的历史里,还有什么意义吗?

小怜:

 有意义啊!!!

考砸了的话会被莉琉弄死啊!!!

我两手抓着脑袋用力晃了晃,试图通过想象将考试化为虚无的努力很快宣告失败。

 

数日後、新豊洲市。

ニュース: 

 数日前、第二学園都市ニューモリダスで発生しました、世間から大注目された銃撃事件に新展開です。

 軍需産業者であるグラマン工業*6の会長タールス・コーシュ*7は第1の目標で、3発の銃弾を受け即死しました。

 容疑者は会計士の男で、自分はかつてコーシュの同性の恋人だったと語っています。

 この容疑者によると、相手が別れ際に自分を暴行。それにより脳を損傷し、以前の記憶を失った、復讐のために犯行に及んだとのことです。

 コーシュの夫人は容疑者の主張は全くのデタラメであると表明。その後、警察は容疑者の身体に大量のタトゥーがあることを明らかにしました。

 タトゥーの内容は西アジアやアフリカで大量の地下取引があるというものを指し示しており、この件の調査についてはパランティルが引き継ぐ事を発表し……

レン:

 このニュース……

脳の損傷に、タトゥーって………あの映画*8のファンじゃないのか?

レン:

 (いやいや、同性愛者の恋人に妻子ってそれこそなんなんだよ!)

俺は携帯をしまうと、路傍のガードレールに寄りかかり、往来する歩行者と車をつまらなげに見ていた。

レン:

 あー……来週は試験があるんだよなぁ……。

毎回大きな試験前になると、俺の脳みそは空っぽとなる時間ができる———

例えば自分が数十兆個の細胞で構成された有機体って想像してみろ。”自我”なんて一種の錯覚に過ぎないんだ。

俺の身体を構成する全ての原子は数十年前には地球のそこら中に散らばっていたもので、百年後には塵となって土に還ってしまう。

だから試験なんてもんは、こんな広大な宇宙の中の、地球の何十億年ものの歴史の中で一体何の意味があるっていうのさ?

レン:

 意味はあるんだよ!!!

やらかしたらマリルに殺されちまう!!!

両手で頭をつかみ大きく揺さぶった。試験なんて無かった事にしようと試みたが、その努力は失敗をいち早く告げた。

 

f:id:memo_dabun:20190601225657p:plain

伊娜拉:

 嘿!小可爱~

一个姐姐从我身后气喘吁吁的跑过来,大声叫住了我。

小怜:

 诶?

伊娜拉:

  啊啊抱歉,是不是吓到你了~

 我是时尚杂志的编辑,刚刚在马路对面看到你就赶忙跑过来,想给你拍张照片。

 因为你有一种.........嗯......未经尘世的天真感嘛! 现在的读者最喜欢你这种类型了!

她一边说一边笑着对我抛了个媚眼。

小怜:

 啊......是、是吗?

我有些不好意思的捋了捋头发,这个打扮帅气的姐姐拍了拍我,叫我别害羞。

随后她掏出手机,不由分说的把我拉到一旁,自己端着手机退到路边商店的招牌后面。

伊娜拉:

 来来来,看着我这边哦~

小怜:

  (这、这难道就是杂志上的“街拍”吗?)(可我今天穿的只是校服啊.........)

我还在犹豫要不要比个“V”的手势,身后忽然跑 过去几个穿着西装的男人差点把我撞倒。

那几个人一路风风火火的跑出去几十米远,其中一个盯着手机的人发现不对,又折返回来。

小怜:

 什么人啊!真过分......

 诶?那个姐姐呢?

刚才的女生所在的招牌后面已经没了人影,我上前几步左右观望,她就好像忽然蒸发了一样。

小怜:

 奇怪......

穿西装的男性:

 喂,小姑娘——

此时,那几个撞到我的男人已经整齐的围在了我身后。

领头的家伙右手拿着手机,左手从我校服的袖子上摘下来一个药片大小的金属颗粒。

他的手机立刻发出急促的“嘟嘟嘟”的声音...

穿西装的男性:

 你刚才,有没有遇到什么人?

 

イナラ:

 ねぇ!そこの可愛い子~

一人のお姉さんが後ろから息を切らすように走ってくると、大声で俺を呼び止めた。

レン:

 へっ?

イナラ:

 ああ、ごめんごめん。びっくりさせちゃったかな~。

 私、ファッション雑誌の編集者やってるの。さっき道の向こうから見かけたものだから急いで走ってきちゃった。貴女の写真を撮らせてほしいの。

 貴方はあれね……うん……世間知らずで天真爛漫って感じね!今の読者さんには貴女のようなタイプが大人気なんだから!

彼女はそう言いながら笑って俺にウィンクをした。

レン:

 あ……そ、そうなの?

俺は少し恥ずかしげに髪をいじる。このおしゃれなお姉さんは、撮影するのだから恥ずかしがらないで欲しいと呼びかけた。

そして彼女は携帯を取り出すと、有無を言わせず俺を引き寄せた。そのまま携帯を持ちながら自分は道端の店の看板の後ろへと下がる。

イナラ:

 はいはーい、こっち見てねぇ~

レン:

 (こ、これが雑誌の"ストリートスナップ"っていうやつか?)(でも今日は制服なんだけど……)

俺がVサインを決めようかどうかを迷っていると、突然後ろからスーツ姿の男数人が駆け寄り、俺を突き倒そうとしてきた。

その数人はそのままドタバタと何十メートルも離れていった。その内の携帯電話を見つめていた1人が間違いに気づいたいのか、またこっちに戻ってきた。

レン:

 何なんだよ! ひっどいなあ………

 へっ?あのお姉さんは?

さっきまで女性がいたはずの看板の後ろは、既に人影が無くなっていた。俺は数歩前から左右を見まわしてみるが、まるで突然蒸発でもしたかのようだ。

レン:

 不思議だ……

スーツ姿の男性:

 おい、そこの小娘——

この時、ぶつかってきた男達が俺の後ろをきれいに取り囲んだ。

リーダーっぽい奴は右手に携帯を持っている。そして左手は俺の制服の袖から錠剤サイズの金属粒子を取り外していた。

彼の携帯から、すぐさま”ブーブーブー”と慌ただしい音が鳴る。

スーツ姿の男性:

 先ほどまで、誰かに会っていなかったか?

 

 

*1:時間に対し正弦波状(きれいな波状)に変化する電流。これは電圧や電流の振幅が時間と共にプラスとマイナスを行ったり来たりすることから。詳しくはこちらから(正弦波交流電圧の最大値と実効値)

*2:服飾の新作発表会・販促展示会であるファッションショーのうち、特に約1週間 (a week) にわたって開催されるものを指す、ファッション業界のイベント。日本では同義の内容をコレクションとも。パリコレとか。

*3:南アフリカ共和国西ケープ州に位置する都市

*4:1599年-1658年に実在したオリバー・クロムウェルが元ネタ。イングランドの政治家で、当時存在したイングランド共和国の初代護国卿(=王権と同等の権限を所持している。なお彼自身の手によって王政を終わらせ、そのまま共和制のトップとなった。)。1658年にインフルエンザで病死すると、すぐさま1660年に共和国制が崩壊し王政復古が起きる。するとイングランドは彼の墓場から遺体を掘り起こし斬首刑を実行。更にその首をウェストミンスター・ホール宮殿(あのビッグベンのあるところ)の屋根に四半世紀晒した。オーバーキルってレベルではない。

*5:ボルドー地方で作られるボルドーワイン。シャートー・マルゴーはそのボルドーワインのシャトー(ワイン農園)の名称、および同シャトーの生産するワインの銘柄の名称。世界で最も高い名声を有する赤ワインの一つ。その中でも2009年物のシャトー・マルゴーはワイン生産400年の歴史の中でも極上のビンテージワインと誉れ高く、赤ワイン1本の価格が1900万になったことも。

*6:おそらくアメリカに実在するノースロップ・グラマンがモデルと思われる。主に戦闘機・軍用輸送機・人工衛星・ミサイル・軍艦などを製造している軍需メーカー。

*7:人名は例によって仮翻訳です。日本版では違う可能性が高いです。

*8:該当しそうなのは「ミレニアム・シリーズ」を原作とした映画、「ドラゴンタトゥーの女」と、その続編の「火と戯れる女」だろうか。劇中にとある男性に制裁としてタトゥーを刻み付けるシーンが存在する。また続編の「火と戯れる女」には家庭内暴力により脳損傷したというエピソードも存在する。ただ根拠としては若干弱いと感じています・・・。他にも該当しそうな映画を知っている方がいたらご教授ください……。クリストファー・ノーラン監督の「メメント」を指しているとのことです。